出口の無い古めかしい建物の入り口、その前でしばし考える。夜空に浮遊する星々、実はベクトルを有している。道を行き交う人々、家路を急いでいる。するとするすると、眼下に猫が現れた。奴は僕を一瞥してまたするするとどこかへ消えていく。行き先を明示して走るバス、整然とした地下鉄の路線図。だけどこの建物には入ることしか許されていないのだ。僕はさっきの猫みたいにするするとその建物に入っていく…

ふと13年前のMonologueを読み返す。今も当時と同じ疑念を抱き続けている。「窓から這い出せ」と言ったのはBob Dylanだったかな。